【発明の名称】点滴クレンメの自己調節防止ロックつきカバー 【技術分野】 【0001】 本発明は、点滴量を調節するクレンメの自己調節を防止するためのロックつきカバーに関する。 【背景技術】 【0002】 従来は医療従事者がクレンメで点滴量を調節しても、患者が点滴を速く終わらせるためや、いたずらなどで自己調節して速度を変えることがあった。点滴の内容によっては、重大な副作用を起こす危険性があった。そのため患者が説得しても応じない場合は、クレンメを触らないよう患者の抑制などをしていた。 【0003】 他には、短冊状の粘着テープを点滴量を調節するローラ部に貼着して、点滴中の不正行為を判別する方法が提案されている(特許公開2002−336351号公報参照)。この方法では不正行為の抑制と判別につながるものの、患者がテープをはがして自己調節する危険性がある。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 本発明は、点滴量を調節するクレンメの自己調節を防止するためのロックつきカバーを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明は、上記の課題を解決するために次のような手段を講じた。 【0006】 本発明は、所定の滴下量になるようにクレンメを調節した後、点滴調節部をカバーで覆いロックをかけてカバーが開かないようにすることで、点滴中の患者の自己調節が行われないようにするものである。 【発明の効果】 【0007】 以上説明したように本発明によれば、点滴調節部をロック付きカバーで覆うため、ロックが解除されない限り、点滴中の患者の自己調節を行うことが防止され、医療の安全性が向上する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 図面を参照して本発明を説明する。 まず、本発明の適用される点滴クレンメについて説明する。図1に示すように、クレンメ1は点滴速度を調節するためのものであり、ローラ2およびクランプ本体3を備えている。クレンメ1は点滴チューブ4に接続されており、ローラ2を上下させることで、点滴滴下量が調整される。 【0009】 図2、図4、図5は、本発明の一実施の形態を示す。 【0010】 図2に示すように、ロックつきカバーのカバー部5はクレンメ1のローラ2を覆うためのものである。 【0011】 カバー部5は、クレンメ1のローラ2を確実にカバーできる構造であれば他の形状でも良いが、カバーがずれてローラ2が操作される危険性を防止するための構造を有する必要がある。 【0012】 カバー部5はクレンメ1が接続されている点滴チューブ5が通るようにスリット6が設けられている。カバー部5の構造が、クレンメ1への密着性が良いためにずれることがなくて、ローラ2を操作できない構造であればスリット6は省略してもかまわない。 【0013】 また、カバー部5の一端にはロック用ねじ7がついた開閉部8があり、もう一端の開閉部9にはロック用ねじ穴10が設けられている。開閉部は破損しないよう適当な強度を持っていれば、形状は問わない。 【0014】 クレンメ点滴調節部にカバーをかけ、図3のように開閉部8のロック用ねじ7を開閉部9のロック用ねじ穴10に締めこむことで開閉部8・9はロックされる。 【0015】 図4はロックつきカバー一体型のクレンメである。 【0016】 クレンメ本体11の背面12にはロック用ねじ穴部13が設けられている。 【0017】 図5はロックつきカバー一体型クレンメのカバーである。カバー部14と開閉部15、開閉部16、ロック用ねじ17は前述のカバー部5、開閉部8、開閉部9、ロック用ねじ7と同様の構造をしている。 【0018】 開閉部9にはロック用ねじ穴10の変わりに、ロック用ねじ穴部13に一致するようカバー固定用穴18が開いている。 【0019】 図6に示すようにロック用ねじ穴部13にカバー固定用穴18をあわせて、カバー部14でクレンメ前面を覆いロック用ねじ穴部13に、ロック用ねじ17をカバー固定用穴18を通して締めこむことでカバーはロックされる。 【0020】 カバーは着脱可能であり、必要な患者のみに使用することができる。 【0021】 いずれのタイプのカバーもクレンメの点滴調節部を覆うことができればよく、ローラ部のみ覆うものでも、クレンメ全体を覆うものでも、クレンメ本体にカバーが装着されているものでもよいが、接触による外傷を予防する上で、柔らかい材質や角を落とすなどの工夫が行われると安全である。 【0022】 また、カバーは適度な強度を持っておればよく、プラスチックや金属などに規定されるものではない。したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲内のものと解釈される。 【0023】 また、ロック用のねじの形状は問わないが、患者が指ではずせないようにナベ頭・皿頭・トラス頭のようにすると安全である。また、締め付け手段としてすりわり付き、十字穴付き、六角頭の他に患者がはずせないよう特殊な形態を用いるといっそう安全である。いずれにしても、ロック機能は、鍵やねじなど患者がロックを解除できななければ形式は問わない。 【0024】 しかし、点滴速度の調節を手動で行うと、誤差が出るため、実際の臨床の場では医療従事者が何度か調節を行うことがある。そのため、ロックは医療従事者によって解除可能なものでなければならない。 【図面の簡単な説明】 【0025】 【図1】点滴クレンメの斜視図 ![]() 【図2】本発明のロックつきカバーの斜視図 ![]() 【図3】本発明のロックつきカバーのクレンメへの装着ロック時の斜視図 ![]() 【図4】本発明のロックつきカバー一体型のクレンメの斜視図 ![]() 【図5】本発明のロックつきカバー一体型のクレンメのカバー着脱時の斜視図 ![]() 【図6】本発明のロックつきカバー一体型のクレンメのカバー装着ロック時の斜視図 ![]() 【符号の説明】 【0026】 1…クレンメ 2…ローラ 3…クランプ本体 4…点滴チューブ 5…カバー部 6…スリット 7…ロック用ねじ 8…開閉部 9…開閉部 10…ロック用ねじ穴 11…クレンメ本体 12…背面 13…ロック用ねじ穴 14…カバー部 15…開閉部 16…開閉部 17…ロック用ねじ 18…カバー固定用穴 |